君は畳一枚の幅を全力疾走で走って畳の横にはみ出さないようにできるか?

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あなたは、畳一枚の幅を全力疾走ではみ出さずに走っていくことができますか?

当然「できる!」と答えるでしょう。かなり泥酔してたり体調不良がひどくない限りは…

では、高さ数100mの断崖の上に畳と同じ幅で手摺りのない橋があって、そこを全力で走ってくださいと言われたら?

ほとんどの人が二の足を踏むのではないでしょうか。

同じ幅なのに「落ちたら死ぬ」という恐怖感が加わるだけで人の気持ちがこんなにも変わってしまいます。

武術の練習をしていて思うことですが例えば、安全な状況で突き蹴りの受け返しや型の練習のみを繰り返しても、実際に身体にヒットさせる稽古をしないことには、机上の空論となってしまうのではないかと。

実際の闘いといっても殺し合うわけにはいかないので、せめて組手やスパーリングを通じてでもそれを経験することはかなり重要です。

倒されたり、痛い思いをして初めて出てくる恐怖感、そしてそれに対してどのように動くのか、ということは当て合いをしなければわかりません。

こういった稽古を通じて特に、「心と体の繋がり」というものをより実感できます。

実際に相手を前にした時、相手が何をしてくるかもわからないし、自分の思うように動けなかったりします。また顔面にキツイ一撃を貰うと萎縮して固まってしまうかもしれません。自分の心が緊張すると体も緊張して動けなくなります。

相手が弱かったり気持ちに余裕があれば、難なくこなせることも経験します。

また武術に限らず、気持ちがノッテると体が軽かったり、楽に動けたりしますが、緊張してると呼吸も速くなって動きが固くなったりして本来の能力を発揮出来なかったり、という経験も少なからず誰もがしたことがあると思います。

「心と体はつながっている」のです。

心の持ち方で、身体は様々な生理活動を起こします。

 

人体の各種生理活動は全て心理活動の影響を受け、良好な心理状態のもとでは良好な生理活動が可能となり、この二者はわけることができません。

・天気が良い時人の気分が良く、天気がどんよりし連日小雨が続くと気分は憂鬱に

・病気になったら身体のどこかが具合悪くなり、イライラと落ち着かない

・悲しい時、涙が出る

・怖い体験をして、血の気が引く

 

東洋医学においては、様々な感情の変化が身体に影響を及ぼすことを説いており、心と身体は強い因果関係により結びついていることを示しています。

さらに心の持ち方次第では“病を引き起こす”とも言われています。

良い心理状態をキープするにはどうすればいいのでしょうか?

精神的に緊張してたり、体が強張っているときというのは、だいたい呼吸が浅くて速くなっていることが多いです。

なので、一旦間を取り、あえて深くゆっくり落ち着いて呼吸することで身体は緩みやすくなります。身体が緩むと気分も落ち着いてきます。

 

また、中国武術の考え方に「意念」というのがあります。それは何かを頭でイメージすることで、身体に生理的な反応を呼び起こそうとすることで、我々も普段からそういった反応をする回路を備えています。

梅干しを口に含むと唾液が分泌されますが、実際に口に含まなくても、梅干しを想像するだけで、唾液が知らず知らずに出てくる経験があると思います。

人は意識的にこういった反応を起こす回路を何回も学習することで形成することができます。

温泉に浸かって寛ぐと呼吸も落ち着いてきて、身体が緩んでくることを誰もが経験したことがあるでしょう。

意念を使う訓練をしていると、実際に温泉に入っていなくても、その経験を身体が覚えているので、梅干しの時のように体が反応してくれるようになり、身体は緩んで呼吸も落ち着きリラックスすることができます。

中国武術で行う站椿功(立禅)を行う目的のひとつは、意念を高めて、それを養うことにあります。

私は現在も武術を修業中です。組手やスパーリングでビビって緊張することは減ってきましたが、根本の問題として技術が追いついてないので、まだまだヘタレです。

ただ立禅のおかげかどうかはわかりませんが、一瞬緊張する場面でも呼吸をコントロールする癖がついたので、たしょうのことでは、緊張で身体が強張ることは減りました。

今回は、心と身体の関係について書いてみました。


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