東洋医学古典・素問 生気通天論篇① 人の生命活動と自然界

生気通天とは、天人相関の意味。

「生気」とは、人体の生命活動力、「天」は自然界を指す。

一人の人間の生命活動と自然界とは、片時も離れることができないものであり、人体の五気(五臓の気「肝・心・脾・肺・腎」)と五味(五臓を栄養する味「酸・苦・甘・辛・鹹」)などはすべて自然界から摂取するし、五気・五味が正常でないと、必ず人を害します。

前回でも述べているとおり、人間は自然の気を受けて生活しているので、季節の働きに合わせた生活を守ることが大切。

そしてその自然の働きには陰陽の別がある。

春夏や日中・昼などでは陽に属して陽気が多く、秋冬や夜中は陰に属し陰気が多い。

この自然の気の働きを人体も受けるから、身体にも陰陽の働きがある

 

自然界に陰と陽の時期が平等にあるように、身体の陰陽の気もバランスを保っている

その陰陽の気の割合は季節に合わせて多きなったり少なくなったりする。この一定のバランスが崩れた時が病気である。

 

天と太陽の関係と肉体における陽気の重要性

人体の陽気は、ちょうど天体に太陽が存在しているようなもの。

もし太陽が正常さを失えば、自然界の万物は生存できない。同様に、人体の陽気が正常さを失えば、知らず知らずのうちに寿命を早く終えてしまう。

だから天の運行では太陽の輝く光を主要なものとすべきであるように、身体の陽気も上方に向かい、外方に対して身体を保護する作用をなすべきである。

厳しい寒さに対処するには、家にこもり身をつつしんで陽気を保つ必要がある。もし夜更かししたり昼夜逆転などのでたらめなライフスタイルであれば、神気(精神力・気力)が外に浮き出てしまい、陽気はしっかりとしなくなってしまう。

夏の暑さにやられると、汗が出て、煩躁時には呼吸困難になって息が粗くなり、ハァハァという音が出る。暑熱の邪が内攻すると、神明に影響して、身体は煩躁しないとはいえ、多言多語の症状を現し、身体は盛んな炭火のように熱くなる。必ず汗を出すべきで、そうしてはじめて熱が下がるようになる

もし湿邪(湿度の高い気候など)にやられると、頭部は重くはれぼったく、ものにつつまれたような感じになる。もし湿熱が適時に取り除かれないと、大きな筋肉は縮んで短くなってそのまま伸びなくなり、小さな筋肉は反って緩んで長くなり、伸びたまま曲がらなくなる。

大きい筋肉は骨内に連なっているので縮むと拘攣し、小さい筋肉は骨外を巻き付けるので緩むと軟弱になって力がなくなります。

もし気が虚して身体がむくんではれぼったくなると、四肢は代わる代わる浮腫となり、動きがぎこちなくなる。

これは陽気が衰えてしまったことによる現象である。

 


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