東洋医学の古典 素問を解説 上古天真論篇(養生法)第2回目

前回の続きで、養生の重要な原則について述べています。

 

岐伯が語る:

「古代の修養の道理を深く理解した人は、人々を教え導くにあたって常にこう述べたものです。外界の虚邪賊風(季節に反する風や気温)に注意して回避すべきときに回避すると共に、心がけは安らかで静かであるべきで、貪欲であったり、妄想したりしてはならない。」

そうすれば真気が調和し、精神もまた内を守ってすり減り散じることはない。このようであれば病が襲うというようなことがあろうか、と。このため人々の心はきわめて閑かで、欲望は少なく、心境は安定していて、恐れることがありませんでした。肉体を働かせても過渡に疲労することはなく、正気は治まり順調だったのです。」

「それぞれの望むところは満たされ、食べたものをおいしく思い、着たものを着心地よく思い、習わしを楽しみ、地位の高低をうらやむことがなく、人々はいたって素朴で誠実でした。正しくない嗜好も彼らの耳や目を揺り動かさず、淫らな邪説も彼らの心情をまどわすことはなかったのです。愚鈍、聡明、有能、または不肖な人を問わず、何事に対してもまったく恐れることはありませんでした。」

「こうしてみると、彼らがあらゆる点で、養生の道理に合致していたことがおわかりでしょう。だから皆が年齢が百歳に達することができて、しかも動作にも少しも衰えたところがなかったのです。これは彼らが養生の道理をすべて掌握していたからであり、こうであってはじめて疾病の危害を招かずにすむのです。」

今回のポイントは、人をとりまく内因と外因の二つの側面から教えを導いていますが、その根本で大切なことは「心安らかで、欲張らないこと」。

お寺の説法を聞いているような内容です。

 心はのどかで清静であって、貪り求めたり、よこしまな考えがなく、物の得失で心をわずらわせたりしないことが大切

現代人には全く不可能といえる境地ですね。

 

次回は、人のそれぞれの時期の身体内部の変化と形体外面のいろんな表現からみえてくる養生と寿命について解説します。


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