事故物件から見えてくる高齢社会

大阪では毎年4月5日にロフトプラスワンウエストにて『大島てるがやってくる!事故物件ナイト』というイベントが開催されます。

演者は、事故物件公示サイトを運営する大島てる氏、事故物件住みます芸人の松原タニシ氏、フリーライターの村田らむ氏。

事故物件にまつわる話や家主とのいざこざなど、ライブならではのきわどい話も飛び出し、我々を楽しませてくれます。機会があれば是非一度、イベントを観に来てください。

 そもそも事故物件とはどういうものをいうのか?

前の住人が自殺、殺人、事故、孤独死などで死んでいる部屋や家のことを指します。人が死んだ部屋なので幽霊が出るのではないかとか、霊感の強い人は取り憑かれたり向こうの世界に引きずり込まれるのではないか、とかがオカルト好きには興味をそそられます。

実際、心霊系のある番組で「事故物件に住んで幽霊が出るのか?」を検証するために選ばれたのが、松原タニシさん。

タニシさんは、番組で事故物件に住むことをきっかけに、現在も番組に関係なくオカルト系タレントとして、事故物件に住み続けて7件目になります。

そんなタニシさんが事故物件に住み続けて感じたことをこう語っています。

「事故物件で起きる不可思議な現象がいったい何を意味するのかは、いまだにわかりませんが、”死”を身近に感じる事故物件に住むことで、奇しくも僕は”生きる”ことについてより考えさせられたのでした」

”生きる”ってことが営まれていた部屋・家が何らかの原因で終わってしまった場所、それが事故物件。どうしても人は死を迎えます。ただ、事故物件での死因は、”人に看取られることなくこの世を去っていく”そんな印象があります。

そして私が感じたことを述べると、確かに殺人や自殺での物件が目立ちますが、近年は”孤独死”とくに高齢者の孤独死が目立つように思います。

『事故物件ナイト』でも孤独死で亡くなった部屋へ特殊清掃が入った時の動画をライターの村田らむさんが取材し流していましたが、腐敗したご遺体の体液の跡や虫が湧いた部屋は、かなり衝撃的でした。またところどころで生活感を感じる部屋は切なさと寂しさを感じますね。

高齢者の孤独死が起こる要因は様々あります。今回は”孤独死”について考えてみたいと思います。

孤独死とは

一人暮らしの方やご高齢の方に起こりやすいと言われる孤独死ですが、最近は「20代の孤独死」や「50代の孤独死」も問題になってきており、誰の身に起こるかは分かりません。
ご高齢の方はもちろん、高齢者以外の孤独死自体が増えてきているのはなぜなのでしょうか。
まずは、孤独死の原因について見ていきましょう。

孤独死はなぜ起こるのか

孤独死の対策について考えるために、孤独死の原因について知っておく必要があります。
孤独死の原因は、一人ひとりの環境や性格、経済状況など様々です。
したがって、孤独死を根本的に防ぐためには一人ひとりに合わせた対策をしなければなりません。孤独死の原因になるとされる6つのポイントを押さえましょう。

1.高齢者である
2.一人暮らしをしている
3.健康面に問題がある
4.経済面に問題がある
5.社会との関わりがない
6.ご家族やご親族がいないか疎遠

 

孤独死が増えている理由は

孤独死は決してご本人や家族だけの問題ではありません。孤独死の件数は近年急増してきていますが、それにはいくつかの社会的な理由があると言われています。
行政や自治体なども孤独死を社会問題と捉えており、孤独死を防ぐための対策を検討し実行しています。孤独死の大きな原因である社会的な問題とは何なのでしょうか?2つの視点からみてみましょう。

・一人暮らしで身寄りのないご高齢の方が増えてきている
・一人暮らしをしている高齢者は年々増えてきています。

それだけでなく、ご家族やご親類といった身寄りのない方が増えていることが問題となっています。2015年時点での男性の生涯未婚率は24.2%で、2035年には29%になると言われています。

つまり結婚をせずに生涯を終える高齢男性が現在4人に1人いるということになります。
海外では未婚でも子供を認知するケースも一般的ですが、日本では未婚の方は子供もいない場合が多いでしょう。もし親戚もいない場合、いわゆる「天涯孤独」な状態となるため、気軽に頼れる方が周囲にいないことになります。今後もさらに生涯未婚率は増えていくとみられており、行政は孤独死の対策を急いでいます。

核家族化の問題

昔はご高齢でも子供の家族と一緒に暮らしている方が多く、身体の調子が悪くても看病してくれたり、亡くなってしまった場合もすぐに発見されていました。
しかし、近年は核家族化が進んでおり、ご家族やご親類といった頼りやすい方が周囲にいないケースが増えてきました。
また、夫婦の共働きが一般的となってきていることもあり、ご高齢の方を気に掛ける余裕がなかったり調子を崩した際にすぐに面倒をみにいけるような環境ではなくなってきました。

一人暮らしをしている高齢者の45%は孤独死を心配している!

(1)孤独死を心配している高齢者の割合は45%

孤独死を心配している1人暮らしの高齢者はとても多いです。
内閣府の調査によると、約45%もの1人暮らしの高齢者(60歳以上の方)が、孤独死を身近に感じると回答しています。

(2)地域で付き合いがない高齢者が約2割
周囲と付き合いがないと、孤独死につながりやすくなりますが、実際に「地域で付き合いがない」と回答している高齢者が約2割に及んでいます。
男性が21.8%、女性が16.3%となっており、男性の方が、より孤独死のリスクが高くなっています。

(3)いざというとき頼りたいと思う相手は子供
高齢の1人暮らしでは何かと不安になりますが、いざというときに頼りたいのは「子ども」と回答した方が多数です。
子どものいる高齢者の中で、男性では41%、女性では58.2%の方が看病や世話について、子どもを頼りたいと回答しています。
ただ、「誰も頼りたくない」という方も多く、子どものいない男性では20%以上になっています。

注目すべきは「あてはまる人がいない(そもそも頼る人がいない)」という方で、子どものいない男性では30%以上になっていますし、女性でも20%を超えています。
子どもがいる方でも、男性は20%以上、女性では10%以上が「あてはまる人がいない」と回答しています。
このようなことからも、やはり孤独死リスクが高くなっていることが読み取れます。

孤独死の方によくある死因

内閣府の調査によると、年々孤独死の件数が増えています。
平成15年には1451件であったところ、平成27年には倍以上の3127件となっています。
孤独死の原因として多いのは、心筋梗塞などの循環器障害や脳溢血などの脳疾患による発作です。
肺炎などの持病がある方は、悪化して死亡したり、日常生活が難しくなって餓死したりするケースもあります。
持病の肝硬変が原因で意識不明となり、そのまま死亡する事例もあります。
階段などで転倒して骨折し、助けを呼べずにそのまま衰弱死するケースもみられます。
災害が起こって救助を呼べずに死亡する場合や、アルコール依存状態となって孤独死する事例もあります。
さまざまな原因で孤独死につながります。

孤独死が起きやすい環境

孤独死しやすいのは、以下のような環境の人です。
1.(特に男性の)高齢者
2.配偶者と別れた人、死別した人
3.未婚の人
4.親族がいない人
5.親族付き合いのない人
6.仕事をしていない人
7.持病のある人
8.賃貸住宅に居住しており、隣人付き合いがない人

 

以上のことから、何が必要なのか?

  1. 人とのコミュニケーションやコミュニティの必要性
  2. 体調管理・持病のうまく付き合う
  3. 体力が低下するよりも以前から、動ける体を作っておく(フレイル予防)
  4. 地方自治体などの介護サービスなどの利用

といったところでしょうか。次回は私が提案する「高齢者の身体活動と運動」について述べたいと思います。


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