東洋医学に学ぶ体質別食養生   気滞・瘀血・痰湿

人体に必要なエネルギーである気・血・津液。これらが不足したり、過剰になると体は不調になり、放置し続けると病気へと発展してしまいます。
人によって気・血・津液の状態は様々。そして自分が今どのような状態であるかは、前々回の簡易チェック項目をやって頂ければ、わかるかと思います。

今回は、気血津液が体に必要以上に増えてしまっている、気滞・瘀血・痰湿のおすすめ食材について言及いたします。

気滞(気の流れが滞るタイプ)

【ポイント】

  1. 気を巡らせる香味野菜を積極的に
  2. 香りの食材は加熱を少なめに
  3. 肝の機能促進する酸味の食べ物
  4. 料理には平性、涼性のものを基本食材とする

【避けたい食べ物】

  1. 熱性、辛みの強い食べ物
  2. ガスの発生しやすいさつまいも、炒り豆
  3. お酒の飲み過ぎ

気滞タイプは体に熱が鬱滞しやすいので、熱性・辛味の強すぎるものは鬱滞をひどくします。お酒の飲み過ぎは肝を傷めます

 

〈気滞体質ぴったりの食材〉

[片頭痛、情緒不安、女性の生理不順や月経前症候群、胃やおなかなどが張ってゲップやガスが多い人]

香りのある春菊、三つ葉、セリ、セロリ、パセリなどの「香味野菜」がおすすめ。これらの香りの精油成分は、気の巡りを改善してストレスを発散させる働きがある。(香りのある食材はあまり長時間加熱すると、大切な成分がとんでしまうので料理の最後に加えてさっと加熱するのがベスト)

[肝の機能を良くさせるには]

気の巡りを担う臓器は「肝」。柑橘類やレバー、しじみ、クコの実、菊花などがおすすめ

[イライラ、怒りっぽい、憂鬱、不安など]

オレンジ、みかん、すだちなどの酸っぱい柑橘類は肝の働きを高め、気分をすっきりさせる

[眼の疲れ、視力の衰え]

レバー、しじみ、クコの実、菊花、ブルーベリーは肝の疲労を解消して、目の症状を改善する。

[鎮静、鎮痛、催眠には]

ジャスミンやアロマセラピーにもよく使われるミント、ラベンダー、カモミール、ローズなどの香りのものは鎮静のはたらきがあり、デザートの飾りやお茶の材料として利用することもおすすめ

 

 

瘀血(血の流れが滞るタイプ)

【ポイント】

  1. 美食、過食を避ける
  2. 適度な運動を心掛ける
  3. 血をサラサラにする食材を多く摂る
  4. 体を冷やしすぎないように
  5. 料理には温・熱性や辛味の食材を基本とする

【避けたい食べ物】

  1. 冷たい飲み物、食べ物
  2. 肉の脂身などの動物性脂肪、バター、生クリーム
  3. チョコレートなどの甘いもの
  4. 味の濃いもの、塩辛いもの

動物性脂肪、暴飲暴食や冷たい飲み物、アイスクリームなどは血行不良の原因なので注意

 

〈瘀血体質の人にぴったりの食材〉

[顔や唇の色が暗い、シミやそばかすが多い、手足の冷え、便が黒っぽい人]

このような状態は、血の巡りが悪く、栄養が末梢循環に運ばれず、不要な老廃物が溜まっていることによります。

[ガン、心疾患、脳卒中]

血がドロドロの状態が続くと、血管が弱くなり、動悸、不整脈、胸苦しい、血圧が高い状態が表れ、ひどくなると心筋梗塞、狭心症、脳卒中にも発展していきます。また老廃物などが蓄積していくと、体内にしこり、女性では子宮筋腫などが表れ、さらにひどくなるとガンなどの悪性腫瘍になることもあります。

予防法としては、血をサラサラにするタマネギ、ネギなどの「辛味野菜」、またいわし、さんま、さばなどの背の青い魚の脂にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸が多く含まれ、血中の中性脂肪、悪玉コレステロールを減らして血液をサラサラにする食材がおすすめ。

[慢性的な肩凝り、頑固な頭痛や関節痛、女性では生理痛、生理の色が黒っぽくてレバーのような血の塊が混じることの多い人]

体を温め新陳代謝を促す食材、タマネギ、ねぎ、しょうが、にんにく、らきょうなどの「辛味野菜」は手足の冷え、体の凝りや痛みのある人におすすめ。

山椒、シナモン、バラ、サフランは血行をよくさせ、痛みを緩和するはたらきがあり、肩凝り、頭痛、関節痛、生理痛などに効果的

 

 

 

痰湿(水の流れが滞るタイプ)

【ポイント】

  1. 食物繊維に富んだ穀物類をよく噛んで食べる
  2. 甘味、辛味、塩辛い味が基本
  3. 基本の食性は平性。冷えるタイプには温性、熱がこもるタイプには涼性・寒性を
  4. 食べ過ぎない

【避けたい食べ物】

  1. 肉の脂身などの動物性脂肪
  2. チョコレートや生クリームなどの甘いもの
  3. 果物や炭酸飲料などの摂りすぎ
  4. お酒の飲み過ぎ、たばこの吸いすぎ

 

〈痰湿体質の人にぴったりの食材〉

[「痰湿」タイプの人はたまった余分な水分や老廃物を取り除かなければいけません]

食物繊維に富んだ玄米、雑穀類、海藻類、根菜類、こんにゃくなどを積極的にとることをおすすめします。食物繊維は消化液や酵素でも消化されにくく、腸内で老廃物や水分を吸収して便として外へ排出します。体内を掃除するような働きがあるので、「痰湿」体質を改善するのにぴったりです。

[むくみやすい人や水太りの人]

利尿により余分な水分や老廃物を排泄する緑豆、はるさめ、冬瓜、はと麦がおすすめ

[中性脂肪やコレステロールの高い人]

タンパク質の摂取としては肉や卵より、いわし、さんま、さばなどの背の青い魚がおすすめ。EDAとDHAが富んだ背の青い魚は血中の中性脂肪、悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を改善します。

[普段のお茶には]

ウーロン茶、プアール茶、鳩麦茶、杜仲茶、ドクダミ茶は体内の老廃物を取り除く働きがあり、食後に温かくして飲むことをおすすめします。

[体が冷えやすい人]

痰湿タイプの人の料理には、「甘味」「辛味」「塩から味」のものがおすすめですが、体が冷える寒の痰湿タイプには「平性」「温性」のものをおすすめします。

[体に熱がこもる人]

基本は同じ「甘味・辛味・塩から味」ですが、熱がこもる痰湿タイプの人には[平性」「涼性」「寒性」のものをおすすめします。

ここまで、それぞれの体質に応じた食材を参考までに紹介しましたが、養生法は食事をベースに、睡眠、運動、心の平静と総合的に行っていかねばなりません。

また、季節によっても食事の工夫も行わなければなりません。東洋医学では「冬は、激しく動いて体の陽気を発散させてはいけない」と説いています。つまり冬に激しい運動(マラソンなど)をして汗をかくようなことはしてはいけないと。

野生の動物は、春まで冬眠しているのは自然の摂理なんですね。

 

また、養生については書いていこうと思います。では、失礼いたします。

 


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