東洋医学的な考え方と意拳・太氣拳に共通する理論について

佐藤聖二先生の遺稿集を読んでいて、“なるほど!”と気づいたことを今回書いてみたいと思います。

東洋医学は人間の身体全体を大まかに3つにわけて分類する考え方があります。

胸から上を「上焦」: 臓腑では心臓と肺が含まれます。

胸下のみぞおちから臍の辺りまでを「中焦」: 脾胃、肝臓、胆嚢などが含まれます。

臍から下を「下焦」: 腸、腎臓、膀胱などが含まれます。

例えば体の異常があった時、下焦の腎臓の調子が悪かった場合、東洋医学では直接的にそのポイントを治療するよりも、体の別の場所に現れた反応点(対応するツボに痛みがあったり、触ってみると発汗があったり)で治療することが多々あります。

例えばこの図

腕の肘から指先を描いたものですが、東洋医学ではよく使われる診断法の一つですが、腕を体全体と見立てて三等分して、前述の三焦と同じ考えで、上・中・下に分けます。例えば腎臓の調子が悪かった場合に肘に近くのツボに反応が出てたりすれば、そこを治療点にしたりして対応します(図では肘の近くに「腎 膀胱」と記されてますね)。

これは足も同様で足の指先から膝までを上・中・下に分けて、直接的に症状が出てる場所とは違うポイントで対処したりします。

 

ここまでは東洋医学の話。今回佐藤聖二先生の遺稿集93頁「根節について 2」にそれに似た記述がありました。一部抜粋すると

「形意拳の理論、『根節』『中節』『梢節』これは力の伝達のみならず攻防に非常に便利で合理的な考え方」

「人間の下半身を『根節』、胴体は『中節』、手は『梢節』となる。」

「またその『根節』である下半身も股関節から膝までを『根節』、膝から足首までを『中節』、足首から足の指先までを『梢節』と分けることが出来る」

 

この形意拳の理論と東洋医学の「三焦」の考え方は、体の対応する面においては似てるように思いました。

 

そこで武術のお話…

拳術でその力を上手く敵(相手)に伝えていくには、

「全て後ろ足の踏みつけに頼る」

「地面と摩擦する反作用力を利用する」

「人体各部、各主要関節が力量作用の過程に参与していることであり、この過程が足裏から足首、膝、股関節、腰、肩、肘、手首、更には掌までの順序を反映する」

足の裏の力はどこから来るかといえば、足の「根節」と足裏と地面との作用反作用力であると、解説されています。

そしてその力が下から膝、股関節、腰、肩、ひえ、手首、掌へと滞りなく力が伝わることが打撃の威力となると。

例えば、手も指先から掌までを「梢節」、肘から肩関節前までを「中節」、肩関節を「根節」と捉えた時、相手に手で決定的な打撃を与えれなかった場合、それは「根節」である下半身は勿論のこと、腕の「根節」である肩関節にも問題があって、力が充分に伝わっていないと考えられるのではないかと思われます。

腕や下半身を体全体と同じように対応させて、3つにわけて考えていく「梢節」「中節」「根節」という理論。

この理論、足裏からの力がスムーズに指先まで繋がることが出来ているかを確認する手掛かりになるのではと思います。

ちょっと強引ですが考察してみました。


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