古い文献や伝説を読むときに気をつけること


古い文献を読むときに気をつけたいこと。

中国での話です。
ある裕福な家と貧しい家があり、その両方の家で男の子が誕生しました。

どちらの家の親も武術が好きで、両方の家の子は5歳ぐらいで共に父親の意志で武術の練習をさせられることになりました。

裕福な家の子は、中国で一番良いと言われた師匠に学ぶことになった。

一方貧しい家の子は、師匠に払う授業料などないので、父親は「私はお前に武術を教えてやれないし、師匠を雇うこともできない。しかし毎日8時間指で壁を突き、指を鍛えなさい」と言い、貧しい家の子は実行しました。

それから数十年立ち、裕福な家の子は立派で中国でも名声のある武術家に成長しました。

あるとき貧しい家の子はその裕福な家の子に会いにいき、「あなたが、今一番中国で強い実力者と聞きました。あなたに挑戦したい」と。

裕福な家の子は了承し「どのような形での勝負を望みますか?」と尋ねると、

貧しい家の子は「指一本で勝負しましょう!互いに一回づつ突いて倒れたほうが負けです。今回は私が挑戦者なので、あなたから突いて下さい」と。

そしてすぐさま勝負が始まり、裕福な子は実力はもちろん優れているので、彼が突くと、貧しい子は肋骨を数本折られて後方へ飛ばされました。

しかし立ち上がった貧しい子は長年鍛えた指で裕福な子を突くと、その体を貫き殺してしまいました。

このいきさつで貧しい子が中国で一番の実力者を指一本で倒したと広まり、それが中国じゅうに知れ渡りました。

指一本で倒したのだから、他の技を使えば、なおさら強いのではないのだろうかと、事情を知らない人は考え、それが伝説の武術家として貧しい家の子は崇拝されることになった。

 

様々な文献や資料において伝説とされる人物を見たとき、その背景にあるものをイメージしておかないと、とんでもない誤解のまま学習してしまうことになりかねない。

 

人の噂や評判もある意味そういった誤解を生みます。

自分で体験や経験し、実際に感じたことで判断する能力を養うことがとても大切であり、カリスマと言われているからと鵜呑みにしないことで、自分にとっての正しい判断が下せるように私は思います。


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