人の動きと経絡の関係

我々が歩いたり、運動したりといった人の動きを支えているものは、筋肉や腱、骨で形成されている関節になります。

人の骨格は206個の骨と約600もの筋肉で構成され、多数の関節を通じて全体としての人の複雑な動きを支えています。

人が動くとき、一つの関節の動きであっても全身の動きと連動し、同時に他の関節の動きの影響も受けることになります。 わかりにくいので例をあげますと・・・・・

仰向けに寝て、足の親指で壁を突き破ろうとすると、

足首 ⇒ 膝 ⇒ 腰 ⇒ 脊柱 ⇒ 肩 ⇒ 肘 ⇒ 手首 ⇒ 頸  と力が入り、最後には顔面の筋肉まで緊張してきます。実際にやってみてください、実感できると思います。

この一連の動きにかかわる部位に何らかの制限や抵抗が加われば、全体としての動きの調和が妨げられ、病変が存在しない部位に痛みが生じることも起こりうる。つまり、動きを全体として把握し、その調和を分析する必要があります。

東洋医学の概念である経絡は、このような多関節の動きの相互関連を分析できる方法論です。 経絡は縦に長軸に走るルートで、人の動きをこの縦のルートの動きとして捉えなおすことができます。

一例を挙げます。

【バレーボール選手のスパイク時の肩の痛み】

この肩の痛み、肩には異常が発見されず、痛みの発現機序を説明できなかった。

だが数日前、ブロックの時の転倒による膝や足首外側の打撲を受けた。

打撲を受けた部分は、経絡の胆経ルート上の丘墟、陽陵泉というツボ付近。

本人はこの打撲した部位の異常を自覚していなかったが、著名な圧痛があった。

 

 

 

 

胆経のルートが体の側面に緑の線で表示されていますが、足先から、側頭部まで流れているのがわかると思います。

バレーのスパイクで足首を痛めた症状が、肩に現れた理由はこの経絡の存在があるからです。

この現象は、運動器の痛みに限ったものではなく、めまい・頭痛・耳鳴りというような症状で現れるこのもあります。

今回例を挙げた『胆経』というルートは身体の側面を流れています。身体を後ろに反らしたり、前屈したり、側屈したりすると、それぞれに流れている経絡が引きのばされたりして負荷がかかります。無理な負荷がかかれば故障の原因となり、痛みを引き起こしたりするわけです。

今回は側面に何らかの負荷がかかって肩の痛みを引き起こしたということです。

前に流れている経絡、後ろに流れている経絡、横に流れている経絡を理解しておけば、身体が故障する原因、あるいはその予防、はたまた武術なら相手の弱点を見抜く術になるのでは、と思いますが如何でしょうか。

次回、もうちょっと詳しくやってみましょう!


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