睡眠のメカニズムについて考える④

前回の記事『睡眠のメカニズムについて考える③』

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【不眠に関する、現代社会特有の要因について】

人には体内時計というものが存在します。体内時計の周期は平均24時間10分程度で、これには個人差があります。

地球は24時間周期(実際は23時間56分4秒)で自転しているので、その周期に合わせるために誤差を修正しなければなりません。

人を含めた多くの動物はそれを光を浴びることで調整しています。朝の光がいわゆる「体内時計」に作用して、リセットされるわけですが、朝に光を浴びることで1回リセットしているにもかかわらず、夕方以降に強い光を浴びると、その時点で再び体内時計がリセットされて、周期がどんどん後ろへずれていきます。

fujitsu3pc1_c01 1153cc58 スマホやタブレット、パソコンのディスプレイは発光ダイオードを使ったかなり強い青色の光をバックライトに利用していますので、体内時計に与える影響は強いはずです。また、コンビニの照明も相当な照度なので、ちょっと夜に買い物に行くだけで体内時計はずれます。

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【体内時計がずれると、なぜ問題なのか?】

たいていの場合、人によって毎日寝る時間がおおよそ決まっていると思います。

例えば、明日は仕事でいつもより1時間早く起きなければならないとすると、こういう場合、7時間睡眠を維持するために1時間早く寝るという人が多いと思います。 でも実際に布団に入るとなかなか眠れないという経験があるのではないでしょうか?

実は、いつも寝る時間直前から2~3時間は最も寝付けない時間帯で「睡眠禁止時間帯(Forbidden zone)」という名がついています。

体内時計のリズムがずれると、睡眠禁止時間帯も一緒に後ろにずれていきます。nitinairizumu そうすると、どんどん夜更かしの傾向になっていきます。当然、睡眠時間が短くなって翌日辛い思いをして、これを回避しようと意地でも早く寝ようとすることで、ますます眠れなくなるというわけです。こうした体内時計のずれによって生じる睡眠障害を「概日リズム障害」といいます。counseling_rythm_107_12kajyo_ol

【不眠症を解消するには、まず、眠りへの不安を解消する】

このテーマにおける櫻井武氏(金沢大学医薬保健研究域医学系教授)の仰られることによると、「不眠症治療という点では、まず患者さんの不安を取り除くことから」だそうです。

西洋医学では薬物療法のほかに認知行動療法も行われており、そこでは、「寝床にいる時間を制限する」「7時間以上寝室にはいないようにする」「眠くならないうちは絶対に寝室に入らない」といった行動様式を身につけてもらい、「寝室で眠ることができた」という成功体験を持ってもらいます。そうすることで、不眠への恐怖や不安から少しずつ脱却するように促すわけです。

どんな方法であれ、眠りに対するストレスを取り除くことができれば、その治療法は不眠症治療にとって正しいものといえます。

例えば、床屋に行くと眠くなるということは、経験された方も多いと思います。これは眠ることに意識が囚われていないからで、鍼灸治療に来られる患者さまも、訴えてる症状を治療しているうちに、眠られていることが多々あります。185566_237349342971114_4071891_n 特に鍼灸治療の場合は、自律神経を整えることが可能なので、継続して施術をすることで身体自体のリズムも整い、睡眠時間が同じであっても「すっきりした」「熟睡できた」【疲れが残らない」などの質のいい睡眠への変化を期待できます。

 

【睡眠に関する情報で気をつけること】

一般に流布しているような睡眠に関する情報は断片的なので、注意が必要です。睡眠は大切ですし、眠ると成長ホルモンが出ますし、睡眠不足だとメタボや鬱になりやすい傾向があるのは確かです。

一つ一つの情報は間違っているわけではないですが、情報が断片的に独り歩きすると、「こうしなければならない」という義務感に変わり、その情報自体が多くの人を脅しているのと変わらなくなります。

眠りのこだわりをなくすこと』、まずは、それからです。20150813dd0phj000133000p_size8

こういいった情報は気分を変えるためだけに活用して、「これでなければダメ!」っていうことではないいのですよ。

 

つくづく思います、「睡眠も心の持ち方、気分から」って。

「気分は不可能を可能にする」 太氣拳の澤井健一先生の言葉の重さを、ここでも感じます。


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