睡眠のメカニズムについて考える③

前回に記事『睡眠のメカニズムについて考える②』

【快眠へのこだわりが不眠症を生む】

巷にあふれている快眠法のほとんどに科学的なエビデンスがありません。カフェインを控えることや入浴に関しては科学的な根拠はあるが、それ以外は無根拠なのである。

カフェインは確実に覚醒を促し、少しでもコーヒーなどを飲んでしまうと眠れないという人は、夕方以降は摂らないほうがいいのは正しいですね。ただ、作用には個人差があるので普段カフェインを摂っても眠れるという人は無理に避ける必要は全くありません。

入浴は四肢の温度を上げるので、睡眠にいくらかは寄与すると考えられます。眠気は、脳の温度が下がるときに起こります。赤ちゃんなどがそうですが、眠くなると四肢が温かくなります。これは末梢の血管が開いて脳の温度を下げるようになるから。

 逆に手足が冷たいままだと脳の温度が下がらず、寝付けないということになります。だから寝る一時間以上前に入浴するのが良いと言われています。ただ寝る直前だと、脳の温度まで上がっているので逆に目が覚めてしまう可能性があります。

 

【眠る環境や条件について】

 

 

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不眠症の人ほど寝具などにこだわりますが、眠れる人はどんな寝具だろうが眠れるもの。 寝具は眠る環境と関係しますが、要は不快な環境でなければ問題なしです。

温度が低すぎたり高すぎたり、明るすぎたり、眠るうえで不快感を覚えるような環境だと、「不快だ」という情動を生んでしまうので、眠れなくなります。寝具も硬すぎるなど、不快を感じなければ問題ないです。media-room-382157_1280

 

【眠っている時間帯や睡眠時間について】

《成長ホルモンについて》

睡眠時、成長ホルモンは分泌されます。それは最初の深い睡眠サイクルで出ますが、「22時から翌2時がゴールデンタイム」といったことはありません。3時に寝ようが4時に寝ようが、最初に深い睡眠が出れば、成長ホルモンは出ます。

 

《一日7時間睡眠が理想的?》

「7時間睡眠が一番長生き」、「短い睡眠はメタボになる」など、睡眠時間の長短や就寝時間に注目する言説が一般に流布されていて、疫学的にはそのようなデータはありますが、そういうのにこだわり過ぎると、逆に睡眠の質が悪化してしまいます。

7時間にこだわり過ぎると、、6時間眠れても「眠れなかった」という自己暗示をかけてしまうからです。必要な睡眠時間には大きな個人差があり、年齢にも左右されます。平均値である7時間にこだわる必要はないのです。

睡眠時間の長短に対するこだわりを抱きやすいのが、高齢者です。現在、およそ5人に1人が不眠症患者といわれるが、高齢者の不眠症患者はさらに多く、3人に1人とされています。

睡眠要求量は年を取るほど低くなっていくので、50代以上で毎日6時間以上眠れる人は少ないです。ですが、一般的にいは「7時間睡眠」を勧めるので、「自分の睡眠は充分でない」という危機感を抱き、やがて不眠恐怖を形成していくことになります。年を取るごとに寝ないでいい身体になっているのですから、無理に寝ないでいいのです。60歳を過ぎたら5時間睡眠でも充分でしょう。52puCySUDU4NQ6GUql1Ib22Ov99qkUef

不眠症の成立要因の一つには、睡眠に対するさまざまな「こだわり」が挙げられます。こだわる人ほど睡眠に問題が出てきます。睡眠そのものに点数をつけ、評価するようなことは不眠症の素地になります。

快眠法にこだわりすぎると、睡眠に対するこだわりをつくってしまうので、あまり考えないほうがいいです。

 

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そもそも不眠症に陥る最初のきっかけは、睡眠そのものにはないのです。たいていは、翌日に何かストレスフルな状況が控えていて、それに対する恐怖心がきっかけになるなどの状況がきっかけになります。

普通は、その翌日の恐怖のイベントが過ぎ去ってしまえば不安は消えますが、現代社会はそうした状況が繰り返し訪れるようなことが多く、次第に「明日が怖い」という情動から、「眠ると明日になってしまう」、「眠るのが怖い」という情動が生まれ、最終的には「眠れないことが怖い」というところまでいってしまいます。

人はそれぞれ、何かを背負って生きています。そして物事の捉え方は人により様々。「そんな些細なことで」と他人が思うことでも、当人には最重要課題であったりします。 何かの不安が睡眠に影響を及ぼし、不眠症へと発症していきます。

次回は、現代社会特有の要因について、さらにみていこうとおもいます。

 

 

 

 

 

 


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