効率のいい身体、無駄のない動きを考える⑥

丹田について

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一般的に言われている丹田は、下腹部の位置をいいますが、本来丹田は、眉間の間にある『上丹田』、両乳首の間の胸の位置にある『中丹田』、そして下腹部にある『下丹田』の3つがあります。

今回は『下丹田』について書きます。

 

【下丹田】

「下丹田」は昔から下腹部の中心、臍下三寸にあると言われてきました。

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東洋医学のツボでいう「気海」、「関元」あたりになります。これは江戸時代を中心に、非常に大切にされてきた身体感覚と言えます。

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 かつて武士は、いざというときに切腹=ハラキリをしました。

どうして武士はハラを切ったのでしょう?  ただ死ぬというのが目的ならば、頸動脈を切ったり心臓を突きさせたほうが、はるかに死にやすいはず。

にも関わらず、武士がいざというときに腹を切ったのは、そこに「武士の武士たる根本がある」という感覚があったからでしょう。だから武士が一命を賭すときには、その根本であるハラに自ら刃を突き立てたのでしょう。

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武士が罪を犯したとき、その罪が卑しいものであれば切腹は許されずに、打ち首や磔にされました。つまり切腹が許されるのは武士としての人格を認められたときだけでした。

このハラの位置がちょうど「下丹田」と同じ位置になります。江戸時代の武家が、下丹田のことをいかに大事にしていたかがこれでわかります。

現在、この下丹田の存在を重視しているのは、武道・武術・禅・日本舞踊・謡・三味線などの日本の伝統を文化の世界です。下丹田は上達のカギを握る重視な存在です。

 

《下丹田がしっかりできると生まれる感覚》

心が動揺したりカッとしたりするとき、何か熱いものが上に上がっていく感じがすることはないでしょうか。下半身が頼りなくなって、舞い上がったような感じになる人もいるかもしれません。

  •  下丹田が発達してくると、周囲がバタバタと慌てたり動揺したりするような事態でも、落ち着きはらっていられます。ハラがすわっているという感覚ですね。
  •  センター(正中線)ができると、颯爽と目線が高くなり、大所高所からものを見ることで細かいことが気にならなくなります。下丹田ができると、細かいことが気にならなくなって、さらに動揺するような気持ちをコントロールし冷静に判断出来るようになります。
  •  呼吸でも、センターができると息が広く長く入ってくるような感じになり、下丹田では息が深く入ってくるような感じになります。
  • 下丹田は下腹部の中心、臍と恥骨結合の中間点にできる意識です。ここに意識の中心ができると、センターと同様、腸腰筋が活性化される。 つまり身体の重心をコントロールしやすくなるということです。
  • 下丹田は、呼吸筋の代表である横隔膜の下に位置しています。横隔膜は腹式呼吸をする筋肉です。腹式呼吸がじょうずにできると、胸式呼吸に使う胸まわりの筋肉は無駄に使う必要がないので、ユルユルに解れていきます。肩のちからも抜け、構えることなくゆったりと落ち着いた気分になります。普通の人ならドキドキしたり動揺するようなことが起こっても、呼吸筋が乱れることなく、平常と変わらず腹式呼吸を続けられます。

呼吸というのは、意識的にコントロールできる運動であると同時に、自律神経にもコントロールされていて、呼吸をきちんとコントロールできれば、逆に自律神経をコントロールすることも可能だということです。

10255636_1595575720668374_2877696762594474911_n   *呼吸をコントロール      

*呼吸って面白い

私自身、若い10代や20代に比べて、緊張したり動揺することが少なくなっているのは、単に歳を重ねて図太くなってるからではなく、太氣拳などで、身体が当時に比べてまとまってきているからかもしれません。日々修行ですな(^ ^)


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