京都魔界案内 鉄輪の井

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貴船の明神に「どうか自分を生きながら鬼に変えてほしい」と願った女がいた。

貴船神社は難波の津に玉依姫が黄色い船に乗って出現された。
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清らかな水源地を求めて淀川、鴨川と流れを遡り、貴船の奥宮に辿り着いた。
「キフネ」は姫の乗った「黄船」に由来する。
拝殿横には大きな船形石が安置されている。積年の風雨の末に貴船を覆い尽くした石の塚だと伝わる。
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玉依姫は貴船の地に降りられ、水の懇々と湧き出る龍穴の上に祠を建てられた。
水を掌る社に水神を祀る貴船は、そこにいるだけで肌にしっとり湿り気を帯び、瑞々しい大気につつまれる。
母なる神の玉依姫と深い縁がある地であるとともに、陰陽思想からすれば水は女性と繋がっている。
貴船明神は女性を救ってくれると言われている。

漆黒の闇に包まれた貴船に参詣し、愛する男に恋人ができたことを恨み、相手の女を憑き殺したいと願った。そして貴船の神から鬼になる方法を伝授される。
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その方法は、長い黒髪に松ヤニを飴のように塗りたくり、それを巻き上げて五本の角にする。顔には朱を差して身体に丹を塗り、頭に鉄輪をかぶって松明に火を灯して口にくわえ、姿を変える。
そして宇治川に入って橋脚のところで21日間浸かっているというものである。
ただ満願前に家の井戸の傍らで息絶えたという。
五条堺町を北に上がり、民家が軒を連ねる西側に「鉄輪跡」の石碑が見える。
民家の玄関を通るようなぐあいで暗い路地の奥へすすむと、注連縄を掲げた井戸がある。鉄輪の女が住んでいた所だと伝わっている。
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この井戸で息絶えたという。また一説には、捨てられた女が身を投げた井戸とも言われ、その怨霊封じのために鉄輪をめぐらせたともいう。
この井戸は別名「縁切り井戸」と呼ばれ、この水を汲んで相手に飲ませると悪縁が断ち切れると信じられている。
今は涸れ井戸なので、水を持参し、井戸の祠に供えて持ち帰ればいいらしい。

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