闘いの氣を具現化した伝説の巨人 澤井健一 ③

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【魂の伝承 ー 太氣拳とは何か】
中国武術を長年やってきたという人物が稽古に来たときのことだった。実に柔らかでしなやかな動きを持つこの人物と佐藤が組手を行うと、この人物のくだんの動きは失われ、逃げ回ることに終始してしまった。これを見た澤井は「せっかく、あれほどの柔らかな動きができるのだから、突きや蹴りの威力を知って、それが十分に生かせるようにしなければダメだ。がんばりなさい」と忠告した。澤井は、常に稽古生の長所を伸ばすアドバイスを行い、それが改善されなかったり、危険な組手を避けるような者には怒るでもなく「君には、もっとふさわしいスポーツがあるよ」と断言していた。
太氣拳の名が広まり、澤井に師事しようと集まってくる者に対しても、他の空手道場を紹介したり「柔道を3年間習ってから来なさい」と優しく断る場合も少なくなかった。image
これに対して、佐藤が
「先生、今のは考えようによっては、武術の才能がないという意味でキツイ言葉ですね」
というと
「そうか…でも、本当の事を言ったまでだから仕方ないな…」
と呟いたという。厳しすぎるほどの実戦本位の考え方だった。

太氣拳の門を叩く者の多くは空手、柔道、拳法、キックボクシングなどの格闘技経験者であり、しかも高段者やプロ選手といった人間が珍しくない。彼らのほとんどは格闘技術において高いレベルに達している。その上で、彼らは太氣拳の「立禅」「揺」「練」を行っていくことでー。
「自分の気持ちと身体を徐々に大切に育てていく過程を知るにである。静の中から学ぶものと、動から得るものとでは違ったものが得られる。動で鍛えた身体は常にそれを保っておかないとまったく衰えてしまう。例えば、2~3年も蹴り技をしなければ足も上がらなくなり、蹴りの威力もなくなる。
よくある話だが、”昔は強かった”とか “今はちょっと具合が悪い”とかいう人間もいるが、そんな話をするのは恥だと思わなくてはいけない。問題は今どれくらい動けるか、若い者に納得させられるだけの技をもっているか、それだけが武人の証であると思いなさい」
と、語った澤井は最後まで武人として、その探究を止めず、1988年7月16日、その波乱の生涯を終えた。
佐藤は語る。
「澤井先生が王向斎先生の姿を追いつづけたように、私は澤井先生の姿を追いつづける、まさにこれが脈々と続いた、武の伝承だと思います」
希代の武術家・澤井健一は”氣”という抽象的な言語を、実戦的なリアリズムが根底に流れる太氣拳という体系の中で定義化し、それを真に武を求める者にのみに伝承させてきた。機会があれば、その技術論、精神論に深く入り込んでいきたいと思っている。

と当時の記事はここで締めくくっています。
澤井先生が命懸けで日本に持ち帰った太氣拳。澤井先生のお弟子さんがそれぞれの形で継承し後進の育成に励んでおられます。
私は現在太氣拳の修行中。私の師は、澤井先生の命を受け太氣拳を広く一般に教えるための道場「太氣拳気功会」を設立した島田道男先生。 本物の武術であるからこそ、厳しくも熱心に指導していただいております。
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この武術に終点はありません、一生修行です。師は一生師であり最強です。
澤井先生が王向斎先生を追いかけるように、私も追いかけて自分が師に少しでも近づけるように。
武の道を信じて、これからも頑張って進みます。


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